中国家電製造現場の最新情報!

新型コロナウイルスで
「世界の家電城下町深圳(深セン)」はしばらく機能不全か

新型コロナウィルスの流行による影響をもろにかぶった「世界の工場」中国の工場事情はどうなっているでしょうか。

実際に、中国工場に家電製造を委託して物を動かしている立場からの最新情報をお伝えします。

新型コロナウィルスの爆発的な拡大を受け,旧正月以降、湖北省はもちろん主要各都市の交通網が遮断され,人の移動を大きく制限してきました。

新型コロナウィルス消毒

旧正月明け以降も工場の稼働開始は各地方政府の許可なく開始が出来ない制限状態が続いていました。

多くの工場は表向き2020年2月17日(月)から操業開始としていますが,実態はマネージャーやオフィスワーカーが一部出勤するのみで,ほとんどのエンジニアやラインワーカーは出勤していません。

湖北省をのぞく主要地域の大工場の多くはようやく、今週2020年2月24日(月)日から稼働開始の許可が出始めています。

許可の条件としては、従業員の出入り口や食堂の改装などを義務づけていたりしています。

ただ,他の地方から戻ってきた従業員は原則14日間の自宅待機後でないと出勤が認められない都市が多く,今は地元ワーカーや帰省せず寮に残っていたワーカーだけが出勤してようやく1ラインか2ライン動かし始めたと言った程度です。

特に出稼ぎワーカーがほとんどの深圳の大手工場のほとんどはラインが動かせていません。

地方からワーカーが帰ってきて,今週月曜からの2週間後となる2020年3月9日(月)くらいからが実際にラインが動きだす目安となりそうです。あくまで目安。

工場の稼働

しかしながら,家電製造の場合はパーツのjust-in-timeが徹底しているため,工場にマテリアルの在庫が普段からあまりありません。

旧正月前にフル稼働生産で出せるモノはすべて出してしまっているだけに,旧正月明けのこの時期はさらに在庫がない状況です。

パーツ工場も似通った状況なので,各種マテリアルが出てくるのがやっと3月中旬以降,家電の組み立てラインとしては3月下旬頃から4月に入ってやっと物が流れはじめるといった具合です。

特に足の長いメインボード・コントロールボードなどの類いはGW前後になりそうと言う声も多く,さらにリードタイムは長いかも知れません。

当然旧正月前に頑張って営業した分のバックオーダーが山ほどあるので,これから新規オーダーを入れていくのはかなり難しそうです。

そんなこんなでセールスマネージャーにコーテーション(見積書)をリクエストしても価格もスケジュールもちゃんと上がってこない状態です。

しかもほとんどのセールスは,
在宅Wechat Workingで出社はしていません。

私が取引している工場はshenzen, Zhongshan, nangjing, hefei, huizhou…などにありますが,出稼ぎワーカー中心に成り立っている深圳は一番ライン確保が厳しそうな印象です。

「世界の家電城下町」としてデバイス生産を高度に集積して発展してきた深センが、今、家電製造のアキレス腱となってきています。

製造ラインがストップしていても、

ECサイトを通じてお客様からは毎日、注文が入ってきます。
B2C、B2BのECで家電を販売している者として、早く工場が正常化して欲しいものです。

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