そんなことは知っている!
という方も多いと思いますが、知識を整理整頓するのもたまには良いものですよ。
是非、お付き合いください。
さて、ECサイトには、
①オープン
②セミクローズ
③クローズド
④マーケットプレイス
⑤モール
の5つのタイプがあります。
まだ、ECサイトをオープンしていない方や検討中の方からすると、
「意外に多いなぁ・・・どれを選べば良いんだよ・・・」
とお思いかもしれませんが、あまり気にしないでください。
安心してください、選び方はとっても簡単です!
あくまで、皆様の取り扱っている商品をECサイトで、
誰に売りたいのか?
誰に来店して欲しいのか?
どうやって商品価格を見せるのか?
どうやって集客するのか?
単独でやるか、みんなとやるか?
どんな人にリピーターになってほしいのか?
等の目的別に、適切な「方式」を選べばよいのです。
B2B-ECを前提に説明します。
①オープン
誰でも訪問することが出来て、商品の価格を見ることも出来る、そして、会員登録をせずに購入することが出来るサイトです。
ECサイトとして購入するために必要なページにおいては、自由にアクセスできるサイトなので、このページは見てはダメ、等、ページごとにアクセスできるかできないかを極端に制限することはありません。
いざ、購入となったら、
購入者情報
配送先情報
クレジットカード情報等を入力すれば簡単に購入出来ます。
購入者を会員として捉えない捉える必要が無いわけです。
スパッと割り切って「全ての顧客は一見さん」として捉えるサイトです。
顧客の規模を特に限定することがなく(大企業や、ベンチャー企業、個人事業主、等々)日本中のお客様は誰でもウェルカム!ということになります。
しかし、今の時代、B2Bにおいてオープン型のECサイトを見かけることはほぼ無くなりました。
②セミクローズド
法人向けのECサイトにおいて、いちばん良くある形ではないでしょうか。
ふらっと立ち寄った訪問者にはECサイトの一部分のみを公開し、商品の詳細情報(販売価格や販売条件等)は、会員登録をしてから公開するという方式です。
たとえば、トップページやご利用方法、運営会社情報などのページについては一般公開します(これは前述の「オープン」方式と同じですね)。
そして、訪問者が「お!この商品の詳細を知りたい。値段は?」と思ってクリックすると・・・
「会員様限定」
「事業会社様のみ、一般消費者は購入いただけません!」
といった感じのページに切り替わったり、ポップアップが表示されたりして、見ることができないようになっています。
商品の卸価格、詳細情報や販売条件・単位等は、登録した会員のみに公開する、といった形です。
その商品に本当に興味があれば、会員登録をして、価格や商品情報、取引条件等を見たくなりますよね。
③クローズド
ECサイト運営企業(サプライヤー)と、既に取引契約をしている企業(バイヤー・購入企業)のみが、ログイン出来るECサイトです。
未だ契約をしていない企業からのアクセスは完全にブロックし、会員登録済み企業のみにサイトを公開する方式です。
ECサイトの入り口に会員登録フォーム及びログインフォームだけを設置し、バイヤーが会員登録後にログインして初めてサイト上のコンテンツにアクセスできるといった形です。
Eコマース、ECという表現よりは、受発注システムとか、受発注ECといった方が適切かもしれません。
④マーケットプレイス
モノタロウさんとか、Amazonさんのような形ですね。
オープン、セミクローズド、クローズドでは、ECサイトの運営会社が自分でWEB上にショップを作り、自分で広告を出したり販促をしたりして集客しなければいけません。
しかし、マーケットプレイスは既に存在している他社のネットショップに自社の商品を置かせてもらう、というイメージです。
そのため、一般的にマーケットプレイスでは、商品を掲載して売れたら販売金額の何%かを出品手数料(名目は色々)としてサプライヤー企業に請求します。(実際には、手数料分を差し引かれた金額がサプライヤーに入金されます。)
新規登録料や出品料を徴収しているところもあれば、そうではないところもあります。
さらに、決済手数料として何%かがさらに掛かる感じですね。
一番のメリットは、アプローチできる顧客データベースのボリュームが圧倒的に違うことです。
ですので、数十万社、数百万の会員に自社の商品をアピールすることができます。
ECサイトを自社で作った場合、コツコツと時間とお金をかけて集客をしていきますが、マーケットプレイスの場合、既にたくさんのお客様が存在しているのです。
そして、運営の手間が省ける、ということです。
マーケットプレイス側の倉庫に一括納品する方式の場合、発送にかかる作業はすべてマーケットプレイス側で代行してくれます。
そのため、都度注文が入るたびに配送の作業をする必要が無いので、非常に効率的です。
また、自社で在庫を保管しておく場所も不要です。
もちろん、配送手続きに関わる何かしらの手数料を取られるというのは、このB2B-ec.newsをご覧のみなさんであれば、理解されていると思われます。
マーケットプレイスによっては、何の手数料がいくらかかったのかを細かく出してくれるところもあれば手数料の明細が何も無く、「一発ドーーン、手数料何%のみ!」としか表示してくれない会社もあります。
商品を提供する会社の規模によって、手数料を払ってマーケットプレイスを利用することをメリットと感じるかデメリットと感じるかは大きく違うと思います。
人も時間もネットショップ開発費や運用費などの資金も潤沢に用意できるような大企業は【自社で、独自にECサイトを立ち上げた方が良い】と考える方が多いのではないでしょうか。
反対に、そこまで時間も手間もコストもかけられないという中小零細企業は、まず、自社商品を大勢の方に知ってもらい、買ってもらって、使ってもらうことこそが大事だから、マーケットプレイスに出品して余計な作業はそこに任せて、自分たちはより良い商品を作り出すことに専念しよう、と考える方も多数いらっしゃると思います。
そういった企業にとっては、このマーケットプレイスは有効ですが、メリットばかりではありません。
マーケットプレイスのデメリット、それは、いくらマーケットプレイスで商品をたくさん売ったとしても、購入者が自社の本当のお得意様にはならない、ということです。
購入者はあくまでもマーケットプレイスの会員です。
したがって、出品側が勝手にマーケットのプレイスの会員に販促をかけることはできません。
読んで字のごとく、マーケットプレイス=市場です。
市場の軒先を借りている仕組みなのですから。
⑤モール
国内最大手のモールといえば、楽天さんが有名ですね。
モール型のことをテナント型と表現している会社もありますが、意味は同じです。
モール型の特徴は、商品のみを出すのではなく、お店自体を出すこと。
つまり、出店です。
出店という言葉は、リアルでも、商店街に出店、ショッピングモールに出店等でお分かりかと思いますが、店舗の外装、そして、内装もしておく必要があります。
つまり、見た目のデザインもきちんとしなければいけません。
そのため、マーケットプレイスに出品するよりも初期費用にお金がかかります。
しかし、一度出店してしまえば、あとは適切にメンテナンス(もちろん商品の入れ替えも必要です)を行えば、意外に楽ちんです。
但し、モールによっては、そこで買ってくれたお客様の情報を独自に活用できるモールもあれば、そうでないモールもあります。
最近では、それぞれの型の特徴を活かして、自社でセミクローズドのECサイトを持って直接のお得意様を囲い込みながら、その上で、マーケットプレイスに出品及びモールにも出店する、という形で、ネット戦略を立てている企業さんが多いですね。
ECサイトの形には、色々ありますし、一長一短あるということでしょうか。
取扱商品が多い企業の場合、オープン、セミクローズド、クローズド、マーケットプレイス、モール、それぞれのバイヤーの特性によって掲載する商品を変えているケースもあるようです。
いずれにしても、B2B-ECの場合、共通しているのは、どうしても顧客・バイヤーが、大小関わらず法人・事業会社を想定している、ということです。
すべてのサイトにおいて、バイヤーの与信が気になります。
リアル取引では、営業マンが面談して問題の無い取引先様だけをお客様として相手にすることが出来るので、決済面ではあまり心配する必要は無いでしょう。
しかし、ネットではそうはいきません。
日本中(或いは世界中)から新規顧客として訪問してきます。
ECサイトは非対面接客のため、どんな企業が顧客として商品を買いに来ているのか把握して、予想することはかなり難しいです。
注文が入ったのは良いが、果たして本当に代金を払ってくれるのだろうか…。
そこで、登場するのが以前の記事にも書きましたが、「請求書後払い」「請求書掛払い」の決済システムとの連携です。
変化が著しいWEBの世界を生き抜くためには、与信管理のために、管理画面から新規の会員登録データをCSVでダウンロードして、審査をしてくれる決済会社にダウンロードしたCSVデータをアップロードして、さらに、審査回答を待つ、そんな悠長なことをやっている暇はありません。
そんな事、ネット店舗じゃなくても、リアル店舗で同じことを同じスピードでやってるよ!
ってなってしまいます。
おそらく、審査をしている間にそのお客様は他のECサイトで商品を買ってしまうかもしれません。
お客様が会員登録をしたのと同時進行で審査も行うことで、お客様を待たせることなく商品が購入できる仕組みが今のECサイトに求められているのです。
お役に立てれば幸いです。