「B2B-ECをオープンしたぞ!」
「これから売るぞぉ~!!」
・・・って意気込みはあるものの、
さて、これから何をすれば良いのか?
と思ったことのある運営者様は意外に多いのではないでしょうか。
とても使いやすいECサイトを構築して、デザインもキレイに凝ったものに仕上げて、何より、他社と差別化されたオンリーワンの素晴らしい商品をたくさん揃えたとしても、お客様が、あなたが作ったECショップへアクセスしてくれなければ、商品は全く売れません。
そうはいっても、B2B-ecは、既存のお客様がいらっしゃるから大丈夫です!
という方もいらっしゃるかもしれませんが、全顧客にダイレクトメールですか?
営業マンが訪問?お電話?
結局、やっぱり、どうしようか? という風になってしまうのではないでしょうか。
既存のお客様が居ても居なくても。
あなたは、B2B-ECサイトを作ったと言っても、ただ、だだっ広い土地の真ん中にポツンとお店を作っただけなのです。
まさに「こんなところにポツンと1店舗」状態です。
リアル店舗の新装開店をイメージしてください。
新しくできたお店がある場合、お店の人達はまず何をしていますか?
- チラシを作って通行人に配ったり
- 道路に看板を作ってお店まで誘導したり
- 雑誌に掲載してもらったり
- 友人・知人に来店してもったり
- 友達の知り合いにも紹介してもらうようお願いしたり
…などなど、あの手この手を使って人を呼び込もうとしますよね?
そうなんです!
あなたが“お店”を作ったのであれば、「集客」は無くてはならない要素なのです。
ECサイトだろうと実店舗だろうと、お店に人が来なくては意味がないのです。
では、ECサイトにどうやってお客様を連れてこればいいのでしょうか?
ECサイトにおける集客方法にはいくつかありますが、代表的な4つの集客方法をご紹介します。
(1)SEO
(2)広告
(3)口コミ
(4)ソーシャルメディア
2020年前半は、この4つが集客方法として多くのECショップで使われています。
それでは先ずは、1つ目、【SEO対策編】からスタートしたいと思います。
Contents
SEOとはなんですか?
さて、そもそもSEOとは何でしょうか?
検索エンジン対策である「SEO」について、しっかりとお伝えしたいと思います。
「ECサイトの運営では、SEO対策は必須です」という話を、ECの制作会社の方から一度はお聞きになったことはあるのではないでしょうか。
SEOとは、【検索エンジン最適化】の事で、英語で書くと、Search Engine Optimization(サーチ・エンジン・オプティマイゼーション)となり、IT業界では頭文字をとってSEO(エスイーオーと読みます)と言われています。
「ヤフー」や「Google」などの検索エンジンで、ユーザーが検索したいキーワードを入力して、自然な検索結果において特定のウェブサイトがページの上位に表示されるように、ウェブサイトの構成やコンテンツなどを調整する等の一連の流れのことであり、また、その手法の総称のことを表します。
また、このようにユーザーが入力したキーワードによってYahoo!やGoogleの検索結果に表示されること(※広告を除く)を「自然検索」「オーガニック検索」と言います。
B2B用ecサイトがSEO対策をする目的
BtoB用ECサイトの集客にとって、何故SEOが重要なのか。
答えは簡単、そのサイトで稼ぐためです。
世界中にいる何十億人というユーザーに、ECサイトに来てもらい商品を買ってもらうためです。
冒頭でも触れましたが「ECサイトを作ったぞ!これでガッツリ儲けるんだ!」と、あなたのやる気だけではビジネスにはなりません。
まずは、あなたのECサイトにお客さんが来ないことには何も始まらないのです。
では、
どうやってECサイトに訪問してもらうか。
どれだけ多くのお客様にアクセスしていただくのか。
パソコンやスマートフォンで商品を購入している人なら誰でも一つや二つはお気に入り登録しているECサイトがあると思います。
お気に入り登録することをブックマークするとも言いますが、これは、何かあればそのお店ですぐに購入できるようにするためですよね。
つまり、そのお店のファン(固定客、常連さん)ということです。
しかし、オープンしたてのECサイトのURLをいきなりお気に入り登録する人なんて存在しません。
なぜなら、誰もそのECサイトの存在を知らないからです。
だから、みんなSEOを駆使して、ヤフーやグーグルの検索結果で自分のサイトを他社よりも上位に表示させることで、自社をアピールするのです。
そして、自社のサイトで商品を購入してもらい、ファンを増やしていくのです。
B2B-ECならなおさらです、B2Bの方が固定客・お得意先になる確率は圧倒的に高いですから。
となると、SEO対策は、ECサイトが新規だろうと既存だろうと同じようにやった方が良いに決まっています。
中には「うちはリアルで取引のあったお客様だけを相手にしているので、そういう対策は不要です」という方もいらっしゃいますが、それは、B2B-ecというよりは、「クローズド型」の受発注システムのことです。
ここで触れているのは、誰でも見ることができる「オープン型」「セミクローズド型」のB2B-ecサイトを対象としています。
※「クローズド型」「セミクローズド型」「オープン型」については、コチラの記事をご覧ください。
さて、SEOを始めるにあたり、サイト運営者はユーザーの心理や行動を想像し、理解しようと心がけることから始まります。
一般的に初めてサイトに訪れるユーザーの行動としては、
- まず、自分が探している商品名やサービス名などのキーワードを入力して検索
- 検索結果の上位に表示されたサイトをクリックする
という流れになります。
商品名が分からない、もしくは、自分の要望を叶えてくれる商品を探しているユーザーは、それに関連するキーワードを入力して検索するでしょう。
例えば、あなたが業務用の食材を扱っている会社ならば、既存客であれば商品名を、新規ユーザーの大部分は「業務用 食材」「レストラン用 仕入れ 食材」等というキーワードを入力して検索してくるでしょう。
その時に、ユーザーが見ている検索結果の1ページ目の上部に自社が運営するECサイトが表示されていれば、SEO対策としては成功です。
(どのサイトもそれを狙っているので、1ページ目の上部に表示させ続けることが恐ろしく難しいのですけどね。)
1ページ目の上部に表示されているサイトの方が2ページ目以降に表示されているサイトに比べてお客さんの訪問数は多くなるので、クリック数が増えれば【集客】としても成功です。
お客さんが求めている商品やサービスがあり、且つ、値段も求めているレベルのものであれば、購入していただける可能性もアップするので売上につながります。
集客方法として、検索エンジンとSEOの関係性を理解する
GoogleやYahoo!などの検索エンジンは、ユーザーに検索ツールとして利用されることが目的です。
ですので、その検索エンジンが、ユーザーが求めている答えに対して適切な検索結果を表示できないとなると利用客は減ってしまいます。
だからといって、検索エンジン側が、一つ一つのサイトの中身(構造や構成)をチェックして、「こういう風に作りなさい」と指示するのは現実的ではありません。
そこで登場するのが、SEOです。
検索エンジンにとってもSEO対策がしっかりとされているサイト、つまり、ユーザーが入力する質問(キーワード)に対して、いかに適切で分かりやすく答えているサイトを優良なコンテンツとして検索結果の上位に表示すればするほど、検索エンジンとしての付加価値がアップし、利用客も増えるといわけです。
誰でも自分の質問に対して、どこかズレた回答が返ってきたらイライラしますよね。
ある意味、検索エンジンとECサイトは持ちつ持たれつという関係なのです。
(今となっては、検索エンジンの方が強く、私たちB2B-ec.newsもGoogle先生には頭が上がらなかったりするのですが…)。
検索結果の画面は、「オーガニック(自然)検索」と「広告枠」の2種類の枠で構成されています。
当然、検索エンジンは広告枠を運用することで、利益を確保している訳ですが、何故か、広告枠のURLをクリックする人はオーガニック検索に表示されたURLをクリックする人と比べると少ないと言われています。
これは、このコラムを見ている人なら何となく判るのではないでしょうか?
インターネット検索を利用するユーザー側の知見が豊かになったことで、広告エリアに掲載されている情報よりも、オーガニック検索で上位に表示されている情報を信じるユーザーが増えてきているからです。
そして、ユーザー自身もどの情報が広告なのかということを認知しているため、(広告=見たくないものを強制的に見せられているという心理が働くのでしょうか。)広告用URLを避ける傾向にあると言われています。
つまり、ユーザーにクリックされやすいのはオーガニック検索であり、上位表示されればされる程、より高い集客効果が見込めるということになります。
SEOによる集客が重視されるのは、これらの理由があるからなのです。
(広告も知名度を上げるという点では効果があるのですが、その話はまた別の機会にしたいと思います。)
SEO対策のメリット
SEO対策をした場合のメリットは、
検索による露出が増え、サイトに流入が増えることです。
あなたのECサイトが、注文担当者が求める商品が陳列され、買いやすい構造やデザイン設計、適切な商品理解を促すコンテンが豊富に用意されていれば、検索エンジンが勝手に「このECサイトは優れている」と判断し、商品に関わるキーワードが入力された時に、検索結果に表示される順位が上がりやすくなります。
そして、1ページ目の上部に表示され始めると、たくさんの人の目に留まることが増えるので、多くのユーザーがサイトに訪問してくれるようになります。
そして、結果的に「〇〇という商品を検索すると、いつもこのページが1ページ目に表示される」という現象が起こり、ブランディングとしても非常に有効な手段となります。
露出・流入が増える
SEO対策の一つに、「コンテンツを増やす」ことが挙げられますが、やみくもにコンテンツを増やせば良いということではありません。
ユーザーにとって、より良いコンテンツを増やすことが大切です。
そして、それ自体がSEO対策になり、結果的にECサイトへの検索流入が増えます。
では、ECサイトにおいて、「より良いコンテンツ」とはどういうモノか?
それは、あなたが売りたい商品・注目されたい商品に対して、ユーザーが検索してくるであろうキーワードが自然に散りばめられているページです。
その際に、
「専門性」「信憑性」「権威性」「網羅性」「独自性」
も考慮して、より良いコンテンツに仕上げます。
この5つはSEO対策では良く言われるポイントですが、B2B-ecでは、BtoC向けのECサイトと比べるとそこまで難しく考えなくても良いかもしれません。
なぜなら、B2Bは元々、専門性のある特殊な商品が多いからです。
B2B-ecでは、汎用品の取り扱いもありますが、大抵の商品は既に「業務用」「卸売のみ」「業者のみ」等と書かれてあり、業界の専門用語を交えた細かい説明書もあると思いますので、自然と、全部クリアできる企業の方が多いのではないでしょうか。
これも、B2Cとは違う法人用ECサイトの特徴ですね。
ただ、「網羅性」だけは、特定の商品に紐つくキーワードに付随して、ユーザーが求めているであろう情報をまんべんなくコンテンツに記載されているかどうかが大切ですので、少し気を配る必要があるかもしれません。
とはいえ、B2Bは専門性、信憑性、権威性、独自性、が突出した商品が多いとともに、関連商品やその情報が必ず紐付きますますので、SEO対策で言われるこの5つのポイントをクリアするのは簡単かもしれません。
上記のことに注意しながら、ユーザーが満足するコンテンツを作れば検索システムに評価されやすくなりますので、B2B-ec内のコンテンツに紐づくキーワードでユーザーが検索した時に検索結果の上位に表示されやすくなり、ユーザーの流入の増加が見込めます。
ユーザーのアクセスが増えると、それだけ多くの人に信頼されているサイトとして検索エンジンが評価し、さらに順位が上がるという相乗効果が生まれます。
これも、SEO対策をすることのメリットです。
圧倒的なブランディング
SEOによって、検索結果であなたのECサイトが上位に表示されるようになり、より多くのお客様の元へ届くようになれば、明らかに認知度はアップします。
そして、それは広告・宣伝効果にもつながり、ECサイトをブランディングすることができます。
検索ユーザーの目に触れる機会を増やしてブランディングできる点も、SEO対策をすることのメリットの1つと言えます。
ちなみに、ブランディングによって自身のWebサイトの認知度が高まれば、指名検索(直接サイト名で検索)される回数も増えるので、さらにSEO効果が見込めます。
SEO対策のデメリット
SEO対策のデメリットは、実施してから効果が出るまで時間がかかることです。
例えば、B2B専門ecサイトで、ある商品に関するキーワードを中心にコンテンツ制作を含めたSEO対策を実施したとして、検索エンジンに評価されSEO対策をしたキーワードで検索結果の上位に表示されるまで数カ月かかった、という話はよくあることです。
このように、効果が表れるまで一定の期間を要することがSEOを実施することのデメリットとなります。
また、SEO対策をしても、該当するキーワードでの検索結果の順位が思うように上がらない、むしろ順位が下がった、とやり方を間違えれば対策失敗ということも現実に発生してしまう可能性もあります。
SEO対策に時間がかかるということに関しては、Googleでも公式に言及しています。
成果が出るまで時間がかかることを忘れないでください。変更に着手してからメリットが得られるようになるまで、通常は 4 か月から 1 年かかります。
※引用元:初心者SEO が必要なケース – Search Console ヘルプ
SEO対策は急がば回れ、時間がかかるものと心得て、焦らずコツコツとやり続けることが大事なのです。
新規でB2B-ecサイトを作った場合も時間がかかります。
コーポレートサイトのドメインはそれなりに年月が経過していることが多く、ECサイトに比べると比較的早い段階で効果が表れるケースもありますが、ほとんどの場合、B2B-ecは新規ドメインで作ることが多いので、SEOの効果が出るまで時間を要します。
まずは検索エンジンにECサイトの存在を知ってもらい、どんなサイトなのかを読み込んでもらう必要があるからです。
ですので、あれこれやっても公開直後のECサイトがすぐに上位に表示される可能性はとても低いので、そこで「色々やっても結果がすぐに出ないのならやーめた!」と途中で投げ出さず、良質なコンテンツページを増やしてサイト全体の質を高めるように時間をかけて長い目でSEO対策を行ってくださいね。
そうすると、少しずつサイト自体の信頼性がアップし、検索エンジンに評価されやすくなりますので、早くて数か月後、通常でも数年後には各ページに紐づくキーワードの検索結果の順位が上位になっていることでしょう。
「継続は力なり!」です。
B2B-ecの運営者で、SEOの知識が豊かな方は相対的に少ないように思えますが、これ幸いな部分があると思っています。
それは、サイトのテーマと異なるコンテンツをわざと記載したものが少ないからです。
B2B-ecの取り扱っている商品やサービスは、既にその専門性が担保されていますので、コンテンツがわき道にそれすぎることは無いと思います。
悪質なSEO業者がよくやる手法として、順位を上げたいがために、全く商品と関連性のないキーワードで記事を書いてサイトに掲載したり、文字数が少なく内容もきちんとまとまっていないコンテンツをアップしたりすることがあります。
昔は、その方法で順位が上がったケースもあるようですが、良質なコンテンツを重視している今の検索エンジンからは、信頼性の低いサイトと判断されて、いつまでたっても検索順位はアップしません。
場合によっては、ペナルティを与えられて一気に順位が下がるケースもありますので、そういうことを提案してくるSEO業者にはご注意ください。
【まとめ】
一般的に「Googleがどんなサイトを評価するのか?を理解することがSEO対策」と言われますが、何も特別なことではありません。
普段、お客様に説明されていることを文字や図にしてサイト上に表示すれば良いのです。
・B2B-ecで取り扱っている商品のことを素直に嘘偽りなく書く。
・みんなが知りたいであろう機能や有用性を説明する。
・長すぎず、短すぎず、適切な文章量でコンテンツを制作する。
・そして、更新し続ける。
成功の秘訣は、真面目にコツコツと根気よく続けることです。
結果的には、本物が、正直者が、
馬鹿を見ないのが、SEO対策なのかもしれませんね。
お役に立てれば幸いです。